2008年11月26日

「きじ」 てっぺー歌詞の日

こんばんは。
てっぺーです。

今回は今ポラリスカブの中で一番新しい曲「きじ」の歌詞を紹介したいと思います。
「歌詞を知りたい!」と数名に言われ、「音源化して歌詞カードになるまで待ってください。」と言ったくせにちゃんと歌詞を紹介する僕は、女性が御手洗いに行っている間にお会計を済ませるそんなスマートな男のようでさすがだなと思いました。

それでは歌詞を紹介します。

「きじ」

「彼がいなくなってあれから5年目の春が来たね」
母がポツリ
父は何も言わず部屋へと戻った

あれからそんなになるかって僕も目を閉じ君の姿思い出す
膝の上に手をおいて「にゃぁ」て鳴いてくれないかい

ねぇきじ
あの日の君は今にも消えそうな命振り絞り
小さな体にゃ似合わない大きな瞳で僕を見つめ
声にならないような声で小さく「にゃん」と鳴いてみせた

ねぇきじ
あの頃の僕は小さなてんとう虫にさえ怯えてて
初めて抱いたその命は優しさに似た温かさと
男の子に近づけたよな そんな気分にさせてくれた

あれから「いつも一緒にね」なんて君を独り占めしてたから
だからほら君は

さみしくて泣いてる僕を見て
トコトコ近づいて膝の上
さみしくなんかないよ僕がいる
頬をペロリ
「にゃぁ」てないた

君がいなくなってあれから五年目の春がくれど僕は今も
泣きたくなると君の きじの名を呼ぶ

ねぇきじ
あれから十数年の時を経て僕らはまだ二人
日々起こる嬉しい出来事
日に日にたまる悩み事
ひとつ残らず君に話し
君は黙ってそれを聞いてた

何にも知らぬ君に八つ当たりしたこともあって
それなのに 君はほらいつも

つらいよと泣いてる僕を見て
トコトコ近づいて膝の上
泣いてもいいよ傍に僕がいる
頬をペロリ
「にゃぁ」てないた

僕がなくといつも 君が傍にいるから

正午 母からのメールで
君の命の終わり近いと知る
「今日は早く帰っておいでね」と母
僕は遅く帰る

ドアを開ける母が泣いている
スヤスヤ眠るように君がいる
撫でる体には温もりはなく
頬をつたう
僕も泣く

僕が泣いているよ?
ねぇ ねぇ

「彼がいなくなってあれから五年目の春が来たね」
母がポツリ
父は何も言わず部屋へと戻った

あれからそんなになるかって僕も目を閉じ君の姿思い出す
膝の上に手をおいて「にゃぁ」て鳴いてくれないかい

-----------
この歌はタイトル通り歌詞通り「きじ」という飼い猫を思い書いた歌です。
来年の春で6年目になるのですが、5年目の命日にたまたま僕は実家に帰っておりました。
歌詞中にもあるように、近所の女の子に抱えられてきじがうちへ来たときはほんとにぎりぎりの状態で、飼う飼わないではなく父が必死に暖めながら命を救ったのを覚えています。
当時僕はテントウ虫や小さな犬から泣きながら逃げるような女々しい少年だったのですが、きじはすんなりと抱っこしたのをよく覚えています。
なんだかんだで家族全員情が移り、晴れて荻野家の一員となったきじですが、すっかり元気になり、我が家の人気者でした。
猫にしては珍しく、名前を呼べば膝の上に来て、夜は家族誰かの布団で眠るようなやつで、毎日がきじ争奪戦でした。

ペットを飼ったことがある方は分かってもらえるかと思いますが、きじにはいろんな話をし、時に反抗できないことをいいことにもやもやのはけ口にしたり、さみしい夜を一緒に過ごしてもらったりしました。

僕が中学生くらいの頃に猫エイズという病気が発覚し、あまり長生きできないが猫にしてはすでに良く長生きしているという診断がくだされました。
僕らにとってはきじはペットではなく家族だったので、(特に母が)発病を防ぐよう大事に大事に一緒に生活しました。

結局きじはそれから数年を生き、人間だったら裕に100歳は超えるであろう齢まで生き、2003年春に息を引き取りました。

「きっと今日できじくんとお別れになると思います
最後にてっぺーくんもお見送りをしようね。
いろいろ予定もあるかもしれないけど、今日はまっすぐ、早く帰ってきてキジ君との最後を一緒に見送ろう。

母より」

そんなメールが授業中の僕に送られてきたのですが、なんだか受け入れられず、怖かったのであてもなくぶらぶらと終電間際まで家へは帰らず、夜遅くに部屋へ戻りました。

リビングで泣きじゃくる母の前に横たわるきじを撫でながら、涙を必死で抑え、何か一言二言告げた後階段を昇り自分の部屋のベットでわんわんと泣いたのを覚えています。

僕が泣いているといつもきじが来てくれていたのですが、最後は涙を見せずに一人でも大丈夫ですと言いたかったのですが、結局一晩中泣いたのを覚えています。

5年という歳月が「きじ」という大切な家族との別れを歌にできるほどにしてくれましたが、この歌を歌うと、やっぱり少し泣けてきます。
こうやって振り返りながら歌詞を書いてもやっぱり泣けてきました。

なんだかまとまらなかったですが、こういう歌です。
いま、僕だけではなくポラリスカブ、そして聞いてくれるみなさんの中でも大切な一曲になっていることを、大変嬉しく思っております。

追記:
現在我が家はどこに行っても猫がいるほどの猫屋敷になっています。
僕があまりに帰ってこないため小哲という名前を付けられた大きなデブ猫は父のお気に入りです。
2度目にきじをうたった日は「クマ」という猫の命日となってしまい、全然歌えなかったです。

以上。


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Posted by ポラリスカブ at 01:59│Comments(3)てっぺー歌詞の日
この記事へのコメント
私もこの唄好きです。今、改めて歌詞をみて大粒の涙が流れました。うちも猫を飼っていて、ある日家に帰るとすでに息を引き取っていました。病気でした。今でもひょいっと帰ってくるような、そんな気がします。私にも大切な家族でした。
Posted by ゆみ at 2008年11月26日 06:34
これヤバイ(涙)犬とか猫とか飼った事がないんですけど、これまじでヤバイ……。今すぐ聴きたいと思って着うたフルのページに行ったらば、『きじ』がナイ……(笑)
Posted by 理恵 at 2008年11月26日 18:42
てっぺーです!

ゆみさん>
ありがとうございます!
こればっかりは分かってもらえてうれしいですというコメントにはなりませんが・・・。ふと何か思い出してもらえれば、それはそれでいいことだと思います!
ありがとうございます。

理恵さん>
ごめんなさい、きじはまだ音源にはなってないんです・・・。
ライブハウスでは絶賛演奏中なのでぜひ足を運んでください!
Posted by ポラリスカブポラリスカブ at 2008年11月27日 03:05
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